無頼派


昔はよく使っていた言葉だが、最近はあまり使われていないし、私も使っていません。
日活時代の渡哲也がこの”無頼”シリーズで人気を博したのは50年くらい前だそうです。
私たちの時代は、学ランの兄ちゃんがよく好んで使っていましたし、トラック野郎にも一時はやっていたのではないでしょうか。
ふと無頼を思い出したのは、このたび芥川賞をとった西村氏のインタビュー記事を何本か目にしてからです。
彼は所謂”持っていない男”の典型、家族のきずなは持っていないし友達もいない、定職もないしもちろん金もない、学歴もないし知識もない、あるのは前科と大正の無名作家藤沢清造への関心くらいのもの。
今回の賞金も、必要費以外は藤沢氏の作品を世に紹介することに使い切るという。
小説というジャンルではなく「私小説」というさらに小さな世界で、地上とかろうじてつながってきたし、これからもそうありたいと無表情に語る姿は、
戦後の焼け跡からなんとかかんとか生き抜いてきた元孤児の70代のじいちゃんばあちゃんに通じるものがあります。

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